私は「環境」に関わる仕事を希望して、造園の仕事を始めました。世界中で行われている「環境」への取り組みを知ったとき、私の心はとても惹きつけられたからです。そして、いつしか探究心を持つようになりました。

「環境」というと不便さを強いられるイメージになることもありますが、私が考える「環境」とは、副次的な問題が少なく多様な利点がたくさんある生き物や材料を用いて、私たち人間の生活が安定し、そして生活の質がより進化していくように努めることだと考えています。
 
私は子供の頃から数学が得意だったので、大学では情報の分野を専攻し、卒業後はIT業界の会社へ就職しました。当時もITの普及が盛んだったので福利厚生はとてもよかったのですが、仕事に対しては面白味を感じることができませんでした。おそらく、自分自身と向き合うことを怠ってしまったからだと思います。
 
造園や土木の現場で汗を流すことは、私の心を安定させました。仕事は厳しく体力的にも辛い想いをしましたが、学生時代の運動部やジムに所属していた経歴が現場の仕事を続けていく意思を保てたのかもしれません。
造園は植物を扱う仕事ですが、私が考える「環境」とは相違することもあり、悩んだ時期もありました。そのため、職場は造園や環境に関する会社を数社渡り歩き、現在は個人事業として活動しています。
個人事業を始めた頃は集団から個に移り変わる不安がありました。個になると私自身で判断することが増え、周りの方々に支えていただきながら、気が付けば事業は10年以上も続けられています。最近は私にとってこのような職場形態があっているのだなと思えるようになりました。
また、数社渡り歩いた経験から様々なことを学び、個人事業として活動する糧になっていると思っています。
 
造園の分野、特に植物についてはまだまだ明らかになっていないことが多く存在し、今後も造園技術は発展していきます。さらに、発展が目まぐるしいIT業界などの他分野と組み合わせることができれば、造園は新しく展開していくと考えています。
新しい技術を取り入れて、私たちの生活を安全に守り、住みやすさがより進化していく提案ができるように努めています。
 
 
 

1976年7月9日生まれ 東京電機大学理工学部卒業 日本技術士会会員 
島田 英泰