台風で庭木が傾いたり倒れたりするのは、樹種や剪定方法、土壌環境が関係しています
今年も台風で庭木が傾いた、倒れた、という報告がありました。
最近の台風は大型が多いため、このような被害も多くなっているように感じています。
庭木の場合は、台風で傾いたり倒れたりする樹種が概ね決まっています。
その樹種は、コニファー類、カイズカイブキ、ハナミズキ、オリーブ、レッドロビン、ミモザ、などです。
これらは、私の経験上では根の張りが弱く、台風の強風に耐えられないように思います。
外国から輸入された樹種なので、気候や環境への適性が微妙に合っていないのかもしれません。
倒木しないように剪定で大きさを縮小させて強風の影響を緩和させることは有効ですが、ぶつ切りのような枝葉を多く切り取る剪定は根の成長を悪くするので、かえって倒木の可能性を高めることになります。
また、刈込剪定で風通しの悪い樹形でも、風の影響が大きくなるために、倒木しやすくなります。これは、特にコニファー類やカイズカイブキによく見られます。
このように、剪定方法が倒木の原因を引き起こすことがあります。
根の成長が悪い生育環境でも倒木の危険性は高くなります。それは、街路樹のような土壌面積が狭く、そして土壌の通気透水性が悪い植栽地などです。
一方で、台風でも被害報告が少ない樹種があります。
その樹種は、ヤマボウシ、カシ類(シラカシ)、モチノキ、ツバキ、などの地域の里山や森林に生えている樹種です。
特にカシ類は防風林として利用されるほど強靭です。
この他、キンモクセイなども少ないと思います。
ケヤキは地域の緑地に生える代表的な樹種で、とても根の張りが良好ですが、剪定管理でぶつ切りされているケースや街路樹のような狭小な土壌面積で土壌の状態が良くないケースが多く、街路樹のケヤキでは倒木した報告を良く聞きます。
したがって、根の張りが強い樹種を植栽すること、剪定ではぶつ切りをしないこと、植栽の際は土壌改良などを施して根が十分に成長できるようにすることが、台風での被害を減らすことになると考えています。