オオデマリの食害対策について

オオデマリはスイカズラ科の植物の一種。別名テマリバナと呼ばれています。
花のかたまりは直径10cmを超し、花の咲き方や雰囲気がどことなくアジサイに似ている美しい園芸品種です。
 
■オオデマリとは?

 
 
 
日本原産のヤブデマリの園芸品種です。高さが2~3mになる低木で、花期は5月頃に球状に密集した花を咲かせます。花は咲き始めが黄緑色で、開くと白色になります。
 
花のかたまりは直径10cmを超し、花の咲き方や雰囲気がどことなくアジサイに似ています。秋に紅葉して冬は落葉します。

オオデマリの上手な育て方
1.生育環境
 充分日の当たる場所が適していますが、半日陰の場所でも充分育ちます。また、乾燥を嫌うので西日の当たる場所は適しません。寒さにはあまり強くないので、冬は株元にワラや腐葉土を敷くなど簡単な防寒を行うとよいです。
 
2.用土
 腐葉土などの腐植質のたっぷり入った肥沃で湿潤な場所が適しています。性質強健であまり場所を選ばずに育てることができますが、やせ地やひどく土が乾く場所は嫌いますので避けます。
 
3.手入れのポイント
 スペースに余裕があれば枝は切らずに放任して育てた方が花付きもよいです。老朽化した枝や枯れた枝、混み合った部分の枝など生長に不要な枝を切り落とすのが基本となります。古くなった枝は勢いが衰え花も小ぶりになるので、四年生くらいの枝は切り落として新たに伸びてくる若い枝に世代交代させます。
 
4.花の付き方
 枝の節々に葉芽か花芽を付けます。徒長枝(勢いよく長く伸びた枝)には花芽を付けず、短い枝に花芽を付けます。花芽は春に短い枝を伸ばし、その先端に花を咲かせます。まとめると、「徒長枝が伸び→翌年に節から短い枝が出て→翌々年花を付ける」ということです。
 
オオデマリにつく主な害虫と対策
 オオデマリにはアブラムシ、ハマキムシ、サンゴジュハムシなどの害虫がつきます。中でも、サンゴジュハムシによる食害が多いのでその対策がポイントとなります。
 
1.アブラムシ
 春先から秋に発生。夏は増殖を停止し、越夏型幼虫として夏を過ごす。食物は樹木や草花の新芽、つぼみなどを吸汁。アブラムシが大量に発生すると、すす病の原因となる。天敵は、テントウムシ、カマキリ、クモ、鳥、捕食性バエなど。
 
2.ハマキムシ
 春から秋に発生。食物は新芽や新葉。ハマキムシとは、葉を巻いたり綴ったりする蛾の幼虫の総称。天敵は、寄生バチ、アシナガバチなど。
 
3.サンゴジュハムシ

主な生態
 サンゴジュハムシは卵で越冬し、幼虫は新芽の頃に孵化します。4月から5月ころに葉裏に発生し葉の食害を始め(葉に直径5mm程の褐色の傷痕ができる)、5月末から6月中旬頃に土中に潜りさなぎになります。
その後2~3週間で成虫が羽化し再び葉を食害します。秋に若枝の茎の中に卵を約10個産み、その表面を糞で塗布します。大きさは、幼虫のイモムシは約10mm、成虫の茶色い甲虫は約7mmとなります。
 
駆除の仕方
 幼虫:自然農薬ではアセビ液、雑草3種混合液
    化学農薬ではスミチオン乳剤、アセフェート液剤などが有効です。
 成虫:直接薬剤を散布することが難しく、補殺での駆除が一般的です。
    予防として、秋から冬の間に枝先を剪定して卵を駆除します。
    サンゴジュハムシは枝先で越冬するため、秋から冬の間に枝先を剪定することが
    効果的です。
 
 天敵はアシナガバチ、カマキリ、クモ、カエル、鳥など。
 
さいごに
 サンゴジュハムシの幼虫は人体への影響は特に大きなものはなく、また、オオデマリが食害されても枯れてしまう事は少ないですが、綺麗なオオデマリを美しく保つためには、しっかりとした対策をとることが必要となります。