庭木の根が家の基礎を損傷するのではないかと
心配される方は少なくありません。
街路樹の根が
道路の舗装を持ち上げている光景を目にすれば、
その不安はいっそうに増すと思います。
結論は、
健全な基礎であれば、
庭木の根が直接破壊することはほぼありません。
ただし、既存の損傷や配管の状態によっては
注意が必要です。
以下、詳しく解説します。

樹木の根の成長特性
樹木の根は、幹から遠ざかるほど細く枝分かれしながら伸長します。
根は常に水分と酸素を求めて成長するため、固い土壌や構造物よりも、
やわらかい土壌へ伸びる性質があるのです。
そのため、コンクリート基礎のような障害物は避けながら成長します。
一方、
道路の舗装が根によって持ち上げられるのは、
アスファルトと路盤材の間に
空気層が存在するためです。
根は酸素を求めてこの隙間に侵入し、
成長とともに舗装を押し上げます。
住宅基礎は隙間のない一体構造のため、
同様の現象は起こりにくいのです。

住宅基礎への影響
住宅基礎が健全であれば、庭木の根が損傷を与えることは
基本的にありません。
しかし、基礎に既存のひび割れや欠損がある場合は注意が必要です。
微細な亀裂に根が侵入すると、成長に伴って亀裂を拡大させる可能性があります。
そのため、
住宅の近傍(概ね基礎から2メートル以内)に
植栽する場合は、
成木時の樹高が10メートル以下の樹種を選ぶことをお勧めします。
例えば、
ソヨゴやヒサカキなどの常緑樹
アオダモ、ヤマコウバシなどの落葉樹
が適しています。
大径木となるサクラ、ケヤキなどは
避けるべきでしょう。

配管設備への影響
地中に埋設された排水管や給水管は、
基礎よりも根の侵入リスクが高い構造物です。
継手部分や経年劣化によるひび割れから、
毛細根が管内に侵入し、
詰まりや破損を引き起こすことがあります。
配管の近傍に植栽する際は、
樹種選定に加えて、
防根シートや防根テープで保護することが
望ましいでしょう。

外構への影響
ブロック塀や縁石など、基礎が浅い外構では、大径木の根による影響を受けやすくなります。
根が直径20cmを超えるような成長をし、
かつ土壌が固くて根が土中深くに
伸びていけないと、
『根上がり』を起こし
塀の基礎を持ち上げたり、
傾斜させたりすることがあります。
外構施設の近くに植栽する場合は、
将来的な樹木の大きさを見越した樹種選定と
根が土中深くへ成長できるような
土壌改良が大切です。

まとめ
庭木の根が住宅へ影響を及ぼすかは、
適切な樹種選定と土壌改良をすることにで、十分に回避できます。
不安がある場合は、専門家に現地を確認してもらうことをオススメします。






