スジキリヨトウムシとは
○ 芝草などを中心に生息するヤガ科の昆虫です。コウライシバ、ノシバを好食します。
○ 幼虫期間は1か月程度で、5月~10月を中心に年に2~3回発生します。
○ 発生時期は5月~10月、年2回~3回発生し、幼虫またはさなぎの状態で越冬します。
生態と発生原因
生態
芝草などの葉に卵塊として生みつけられた卵は気温にもよりますが、約1週間で孵化します。約1ヶ月間の幼虫期間は地際部に生息し、コウライシバ、ノシバを好食します。夜行性で食欲旺盛。蛹期間、成虫の寿命ともに約1週間です。
主な天敵
カマキリ類、 捕食性キリギリス類、造網性クモ類、ハナカメムシ類、アマガエルなど。メジロ、ウグイス、ムクドリ、スズメなどの鳥類も捕食します。
発生原因
長い芝生を好む事から、芝生の刈り込みを頻繁に行わないところで、発生が多くなる傾向があります。
7月~9月に芝の葉先のほうに産卵するため、この時期は産卵されないように月に2~3回程度の芝刈りが必要かもしれません。冬は芝が冬枯れする11月以降に芝を短く刈り、幼虫で越冬しているスジキリヨトウムシを熊手等で駆除します。
駆除・防除対策
芝刈りを頻繁に行う
特に7~9月は芝の葉先に産卵するため、この時期は月に数回の芝刈りが必要かもしれません。芝が冬枯れする11月以降は芝を短く刈り、幼虫で越冬しているスジキリヨトウムシを熊手等で駆除します。
“自然の殺虫剤“を使った駆除方法
① 草木灰を土や芝生にまく、または草木灰を水に溶かしてジョーロ等で芝生にまく事で殺虫する事ができます。
② 芝生へ米ぬかをまきます。ヨトウムシは米ぬかを食べると、お腹を壊して死んでしまいます。米ぬかは土で腐りヨトウムシは生の米ぬかでないと食べないため、芝生へは3~4回に分けて米ぬかをまくとよいでしょう。
③ ヨトウムシの死骸を集めてすり潰し、それを水に溶かして芝生にまく事で殺虫できます。または、大きめのビンに水で薄めた酢を入れ、そこにヨトウムシ(死骸でもよい)も入れ、その液体を少しの間保管した後、芝生にまきます。ヨトウムシは、仲間の死骸からでるものがヨトウムシにとっては毒となるようです。
一般的な市販薬を使った方法
スミチオン乳剤、ダイアジノン乳剤、ディプテレックス乳剤、オルトラン粒剤、ダーズバン乳剤、マラソン乳剤など薬剤を散布します。一般的な対処法ですが、人体へ悪影響を及ぼす物質も含まれますので注意してください。特にディプテレックス乳剤はよく効きますが、毒性も強いです。
また、幼虫が大きくなってからだと薬剤は効きにくくなる為、発生時期に合わせて予防的に薬剤を散布してください。また、同じ薬剤を何回も使い続けると耐性が出来てくるので、2~3種類の薬剤を変えながら使用するとよいでしょう。
薬を使わずに忌避する方法
殺虫ではなく忌避になりますが、マリーゴールド、トウガラシエキスやコーヒーのかす等を芝生にまく方法もあります。
芝の活力を高める
土に点穴をあけ、炭などをまぶして、芝の根がしっかりと張るように土壌改良するとよいでしょう。活力のある植物は害虫への防御機能が高くなります。
まとめ
〇 7~9月は芝生をなるべく頻繁に刈る
〇 草木灰、米ぬかを試してみる
〇 市販薬はよく効きますが、毒性には気を付けてください
〇 コーヒーのかす等で寄せ付けない環境をつくる
〇 土壌改良で植物の防御機能を高める