ササは刈り取ることを怠るとつぎつぎに増えていきます。困りますよね。
ササは日照を好みます。ただ、日陰地へも根を伸ばして生育してしまうのです。これは、ある程度の暗い環境下でも生育できるためです。そして、日照を十分に受けている個体から地下茎を通じてエネルギーが転流しているからでもあるようです。
ササの生育環境は次のとおりです
○ 林冠(太陽光を直接受ける高木の上部)層の状態
光が入りやすい落葉樹林または林冠の疎密度が低い環境では、ササの被度は高くなります。林冠が密な常緑樹林下では、林床の光環境が悪いため、ササの被度は低くなります。
○ 立地環境
ササは急斜面では被度は低くなり、傾斜が緩やかな環境ほど被度は高くなります。傾斜が急であると土壌の流出などが起こり、根がダメージを受けるからでしょう。斜面方位は南であると被度が高くなる傾向にあります。
○ 周辺植生
アカマツが生育している所では、ササが少ないです。一般に、アカマツには強い他感作用があり、これがササの生育を妨げているようです。
○ 人為的撹乱
ササを刈る頻度や高さによって、ササの被度は変化します。
場所に応じて管理の頻度や方法を変えること
ササが生えている環境をよく観察すれば、頻繁に刈り取る所、ときどきの刈り取りで十分な所があるでしょう。隣地など、敷地外からササの根が侵入している場合は、地中へ深さ50cmほどの防根シートを敷く方法もあります。
ササを管理する際のポイント
1.ササを5cmの高さで刈り、グランドカバーに
ササの被度が高い場所は、丈を低くして「緑のじゅうたん」にすることもできます。ただ、ササの茎は固いので踏み入れることが少ない場所になりますが。管理は年間1~3回、ササを刈り払うことが必要です。
2.地際でササを刈り続け、ササの生育を後退させる(裸地化させる)
ササを年間6回以上刈れば、次第にササの繁茂を抑制させることができます。とくにササが光合成を行う夏に刈り続けることが大切です。
3.ササを後退させるために、一時的に除草剤を使用することもよいでしょう。除草剤を用いる場合は、「ふで」や「はけ」でササの葉や刈り取った直後の茎の切り口に除草剤を塗るようにしてください。除草剤を原液で塗れば、1週間から10日くらいで根まで枯れます。
4.丈夫で育てやすい植物を植えて、ササを後退させる
ササの生育を後退させた上で、イブキジャコウソウやヒメツルソバ等の群生する下草、もしくはナチュラリスティックガーデンのような様々な種類の草花を植えて、ササをより後退させます。他の下草へ変えることができれば、美しい草地となるでしょう。
5.土壌の通気透水性をしっかりと改善して、草花が育ちやすい環境にしてください。ササは固くて通気透水性の悪い土壌に良く生えます。土壌改良を行って生えにくい環境にしましょう。
まとめ
〇 まずはササが生えている環境を確認する
〇 ササを年間6回以上刈り続ける
〇 一時的に除草剤を塗布してもよい
〇 丈夫で育てやすい草花を植えてササを後退させる
〇 土壌の通気透水性を改善し、草花が育ちやすい環境にする